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Fukuoka Growth リアル

URC 都市情報コラム
Fukuoka Growth リアル

“Fukuoka Growth”は、福岡市の成長性を示すさまざまなデータを紹介する福岡アジア都市研究所 情報戦略室が2年おきに発行するデータブックです。
Fukuoka Growth リアル”では、最新の統計等から、福岡市の情報をリアルタイムにお届けします。

FGリアル 1
[Aug 18, 2022] 
帰ってきた経済センサス~5年ぶりの事業所数と従業者数ついに
総務省令和3年経済センサス活動調査の速報値が発表されました。今回は、一部速報値のみの発表で、確定後に数値が変わる可能性もありますが、市町村別の事業所数や従業者数が判明するのは、平成28年経済センサス活動調査以来5年ぶりとなります。

福岡市の今
100万人近くが働く福岡市
令和3年経済センサス活動調査結果によると、福岡市の事業所数は73,223事業所、従業者数は952,085人です。従業者は「福岡市の事業所で従業する人」で、市外から通勤して来る人も含まれます。実に100万人近くの人が福岡市の事業所で従業しています。
産業別にみると、事業所数は「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」などが多く、従業者数は「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」「その他サービス業」など、いわゆる第3次産業(サービス業)関連が上位です図1図2

図1・図2

「人が生み出す価値」が支える福岡市の経済~21大都市中最も高い第3次産業比率~
では、産業別の比率を、国内の政令指定都市及び東京23区の21大都市で比較すると、事業所数、従業者数とも、福岡市は第3次産業比率が最も高く、いずれも9割前後を占めます。どの都市も第3次産業比率は高いものの、福岡市は特にその傾向が強く、従業者数は東京23区とともに9割を超えています。もちろん、農林漁業や製造業など、第3次産業以外で従業する人も多くいますが、大都市の中でも特に第3次産業が盛んな都市であることを示しています。福岡市は、古くから商業が盛んな都市として発展してきた歴史があり、今も、時代に合わせて産業が進化しながら、経済成長を続けているといえます図3図4

図3・図4

5年前との変化
5年前から従業者増4万人超~東京23区、大阪市に次ぐ増加~
今回の経済センサス活動調査結果は、平成28年以来5年ぶりです。その間には、コロナ禍もありました(今なお継続中)。5年前との比較は、コロナ前、コロナ後という見方もできます。
事業所数と従業者数の増減を大都市比較すると、多くの都市で事業所数が減少する中で、福岡市は、数少ない事業所数が増加した都市であると同時に、従業者数は4万人以上の増加で、これは東京23区と大阪市に次ぐ規模です。多くの従業者~働く人~が、福岡市に集中しつつあることがわかります図5図6

図5・図6

*令和3年経済センサス活動調査より対象抽出法が変更され、より幅広く把握されたことから、比較については参考値である。
*熊本市で事業所数が大幅増加したのは、前回調査(平成28年6月)が熊本地震(平成28年4月)直後で、多くの事業所が被災したものが、その後の復興等で増えたことが一因と考えられる。

より高付加価値な産業への変化~5年前から増えた産業~
この5年間で、産業別の事業所数や従業者数はどのように変化したのでしょうか。福岡市の産業別増減は、事業所数は「不動産業、物品賃貸業」「学術研究、専門・技術サービス業」「医療、福祉」、従業者数は「医療、福祉」「情報通信業」「その他サービス業」などで増加しました。一方、事業所数、従業者数とも上位の「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」はそれぞれ大きく減少しています。これらの産業は、コロナ禍が影響している可能性もあります。
この5年を経て、福岡市経済の産業構造は、第3次産業比率の高さは変わらないものの、その内容は時代の変化に合わせて、より今のニーズに沿ったものへ、新しい価値を生み出す産業の形へと変化しているようです。図7図8

図7・図8

*令和3年経済センサス活動調査より対象抽出法が変更され、より幅広く把握されたことから、比較については参考値である。

“100万人力”の価値の創出
ようやく公表された令和3年経済センサス活動調査結果。速報値では、市町村別には事業所数と従業者数のみで、今後確定値公表のタイミングでさらに詳細な調査結果も公表されると思われます。
福岡市は、人口増加率が大都市で最も高い都市ですが(「FUKUOKA GROWTH2022」 P11)、従業者数の増加も東京や大阪に次ぐ規模で、地方都市としては最大です。多くの人が集まり、経済活動が盛んな勢いのある都市であることが、改めて示されました。
前回調査からの5年の間には、新型コロナウイルス感染拡大による大きな社会変化を経験し、経済活動にもさまざまな影響がもたらされました。速報値でも、産業別の増減など、その影響の一部を垣間見ることができます。
従前より、福岡市は、全国でも高い開業率にみられるようにスタートアップが盛んな都市として知られ、産業の新陳代謝が進んでいることが推察されましたが、今回の調査結果にみるように、確かに産業構造は変化の過程にあるようです。100万人近くの人の創造力が、進取の気性に富む経済活動を、これからも牽引していくものと期待されます。

あとがき
ようやく令和3年経済センサス活動調査の速報値によって、福岡市の事業所数や従業者数が明らかとなりました。統計を扱う人は、この5年間市町村別の数値がわからず、古い統計値や他の類似統計(雇用保険適用事業所数や被保険者数など)を代用してエビデンスとしたりしていたと思いますが、途中公表された「令和元年経済センサス基礎調査」の公表統計が限られた内容だったので、ようやく全体像が・・という感じがします。今後の経済センサスの基礎調査と活動調査の公表内容は、現在の棲み分けで実施されるのでしょう。
経済センサスも人口に関する調査を行う国勢調査も5年おきです。今の時代、5年で社会は大きく変わるので、その間の状況を、いかにリアルタイムで把握するかが重要になります。国の基幹統計は数年おきですが、毎年、四半期毎、毎月など、より短期間に公表される統計もあるので、それらをリアルタイムで追いながら補足したり、普段あまり目にしない情報なども含め、この“Fukuoka Growth リアル”から発信していこうと思います。

とはいえ、統計で数値化されたとき、それはもう過去の情報です。未来の統計は、よりリアルタイムに、まさに「今」の状況を、さまざまな技術を駆使して把握できるようになるでしょう。既に、センサー情報で通行者数などをリアルタイムに把握するようなことも広く実装されていますし、蓄積された膨大な情報をもとに、AIで「未来」を予測する動きも、今後ますます広がっていくと考えられます。
それも重要なことですが、数値にも価値を。統計は(ただの)数値に非(あら)ず。視点や読み込み方、見せ方で、よりクリアになる情報、背景を含んでいます。そういう気付きのきっかけを、ここで示していければと考えています。
数値で予測される福岡市の未来を、人の創造力で、より豊かにアップデートしていきましょう。

情報戦略室 畠山尚久

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