【シリーズ】生ごみ×情報システム
URCでは、2018年度の総合研究テーマとして「Society 5.0」を掲げています。
Society 5.0とは、狩猟社会(1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)の次に来る新たな社会として位置付けられ、第4次産業革命で推進される、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)等の技術を用いて、現実社会の課題にアプローチしようとする取り組みです。
現実社会から情報を吸い上げ、適用可能な技術を検討し、適切な技術を用いて解決策を現実社会にフィードバックするのです。
現実社会の課題とは、例えば、福岡市の生ごみです。福岡市では、家庭から出るごみと事業所から出るごみを合わせて約57万トンのごみを排出しています 。そのうち、家庭系では30%、事業系では20%を、それぞれ生ごみが占めています。また、福岡市では、2009年を基準年に、2025年までに、家庭系16,000トン、事業系97,000トンの削減目標を立てています。しかし、福岡市では現在、予測を上回るペースで人口および来訪者の増加が続き、ごみの削減量としては、2009年以降ほぼ横ばいが続いているのが現状です。
そこで、URCでは、より多くの削減量を求められる事業系生ごみに焦点を当て、Society 5.0的対策として、「情報管理」による排出削減・分別促進対策を検討しています。これまで事業系一般廃棄物に関するデータは、部分的にアナログであったり、個別に管理されたりしてきましたが、クラウドシステムの活用により、正確なデータの共有、事務処理の軽減、排出量の見える化等を進めようとしています。
その活動の中核に据えるのが、URCが調査研究及び事務局を務める「福岡市の事業系食品廃棄物リサイクル促進に向けた情報技術の導入に関する勉強会」です。この勉強会は、小売店やレストラン、ホテル等を含む排出事業者、生ごみを収集処理する事業者、情報システムの開発事業者、廃棄物や情報システムの専門家、行政等を含む産学官の関係者で構成されています。
■ 活動状況
第4回 勉強会 2019年3月27日(水)14:00~16:00←New!
第3回 勉強会 2019年1月28日(月)14:00~16:00
施設見学会 2018年12月17日(月)
第2回 勉強会 2018年11月26日(月)14:00~16:00
第1回 勉強会 2018年10月23日(火)14:00~16:00
■ 活動報告
(第4回勉強会報告)
第4回は、URCより第3回までのとりまとめ、およびシステムの維持運営に関する導入報告があり、その後、3つのグループに分かれて個別の課題について議論を行った。 【導入】 【グループ討議】
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(第3回勉強会報告)
【導入発表】 ■ 調査時期:2018年11-12月 【ワークショップ】 ・ 認知することが第一であり、認知(ごみの排出量等の情報)と便益(例えば、費用、社会的貢献、環境影響等)とを紐づけしていくことで、行動の変化を促す
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(施設見学会報告)
2018年12月17日、勉強会の参加者18名で、福岡市内の生ごみ再資源化関連の3施設の視察を行いました。 ![]() 完成した飼料(1か所目) ![]() 計量機と接続されたバーコードスキャンシステム(2か所目) ![]() 高速発酵装置に投入前の生ごみ(3か所目) |
(第2回勉強会報告)
生ごみ×情報システム第2回の勉強会は、2018年11月26日、URC会議室にて開催されました。第1回勉強会同様、生ごみの排出事業者、食品廃棄物処理事業者、システム開発事業者、廃棄物分野を専門とした学術経験者、情報システム等に関する専門家、廃棄物コンサルタント、行政から計16名の参加を得ました。
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(第1回勉強会報告)
2018年10月23日、URC会議室にて第1回勉強会が開催されました。第1回勉強会は、生ごみの排出事業者として多くのテナントを抱える大規模事業者5社、食品廃棄物処理事業者、システム開発事業者、廃棄物分野を専門とした学術経験者、情報システム等に関する専門家、廃棄物コンサルタント、行政、ら計20名の参加を得ました。
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