大学移転に伴う箱崎地区の変容と地域づくりに関する研究 I
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REPORT

刊行物・研究報告

背景

総合研究

2014.03.12

大学移転に伴う箱崎地区の変容と地域づくりに関する研究 I

趣旨目的

大学の街として発展してきた箱崎地区(福岡市東区)は現在九州大学移転の渦中にある。今後大学移転が進むにつれ、広大な大学跡地の処理・利活用、そして大学移転により当地区が受ける大きな変化への対応などの問題について、抜本的な対処が必要であり、現在大学移転の渦中にある箱崎地区の街の変化の様子について詳細に追求し、大学関係者の転出が箱崎地区に及ぼしつつある影響を解明する。

研究手法及び内容

○箱崎地区の歴史、沿革の整理
各種文献・資料等により、箱崎地区の位置・地勢、歴史的沿革、九州大学開設時の状況等について、調査・整理を行った。
○九大移転開始以降にみられる地区の変化、影響
九大移転による地区の変化及び影響について、住宅地図による時系列比較(土地利用、建物、街区等)、住民基本台帳等の統計データによる人口動向、GISを用いた街の変化の実態等について、分析を行った。その結果、集合住宅の割合、店舗数、人口、高齢化率などの増減により、学生の街という特異性のある町丁目の存在が明らかとなった。特に、箱崎および筥松校区では、総人口は増加しているものの、20歳代前半の男性人口が減少しており、工学部移転による影響が大きいものと推測される。
○九大移転に関する地元(箱崎地区4校区)の意識調査
九大移転による地区への影響や今後の展望等を知るために、箱崎地区4校区住民へのアンケート調査を実施した。その結果、当地区は全般的に生活利便性が良いという認識がされていることが明らかとなった。特に、自動車(道路)、公共交通の肯定評価は7割を越えており、これらの強みを活かした当地区のこれからのまちづくりに対する一つの方向性を得ることができた。
○ケーススタディ:他大学における移転の影響調査
宮崎大学、東北大学など他大学の移転事例において、周辺地区に与えた影響等を調査した。その結果、東北大学雨宮キャンパス跡地(約9.3ha)は、仙台市の「コンパクトシティ」モデル市街地として、街づくりが進められようとしていること、また宮崎大学跡地(約34.4ha)は、県の総合文化公園を核として、公立大学、JA会館に生まれ変わり、地域特性に応じた跡地活用の具体例と公益性の確保に関する知見が得られた。

研究期間

平成 20年 4月~平成 21年 3月

担当

野口 誠   主任研究員    ※研究責任者
梶返 恭彦 研究主査

研究報告書

全ページ(pdf/21.2MB)

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