2018年11月27日(火)、URC会議室において、(一社)日本テレワーク協会主席研究員の冨吉直美氏を講師にお招きし、ミニセミナー「福岡‐東京の二拠点居住―これからの新しい働き方―」を開催しました。 当日は、福岡市、福岡地域戦略推進協議会(Fukuoka D.C.)およびURCから、計16名の参加を得ました。
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◆ミニセミナー開催の背景:
URCでは、2018年度の総合研究テーマとして「Society 5.0」を掲げています。
研究分野の一つが、Society 5.0を通した「働きたい都市・福岡」を実現する社会のあり方です。福岡に住む人たちが、個人の生活と仕事を両立できる働き方、個人の能力を十分に発揮できる働き方とはどんなものでしょうか。また、企業の働き手不足の解消のためには、どのような方法があるのでしょうか。ICTはこれらの課題を解決するために、どのような貢献ができるのでしょうか。
このテーマに対するアプローチとして、URC調査研究チームは、ICTを活用した働き方であるテレワーク(場所や時間にとらわれない働き方)に着目し、調査・研究を行っています。テレワークは、「働き方改革」を推進するためのツールとしても位置付けられており、様々な人たちの柔軟な働き方の実現や、企業の働き手確保、生産性向上のための有効な方法になると考えられています。また、テレワークという働き方の中で、「二拠点居住」という新しい働き方も、昨今注目されつつあります。
そこで今回、福岡市における新しい働き方に向けて学び議論するために、ミニセミナーを開催いたしました。
◆講演の概要:
講師の冨吉氏は、2017年度に福岡での完全在宅勤務を実施し、今年度は福岡と東京の二拠点居住にてテレワークを実践されています。
セミナーでは、テレワークの定義や、地方テレワークの普及推進事業等をご説明いただいた後、ご自身の実体験を通じて感じたテレワークのメリット(生産性向上、ワークライフバランスの向上)や、在宅勤務の気づきとして得られた人との対面の重要性、東京を「情報収集の場」、福岡を「情報活用の場」と位置付けた二拠点居住の実情についてお話しいただきました。
加えて、テレワークを実践するに当たって、「浪費の時間を減らして投資の時間を増やす」という時間管理や、「重要度の高い仕事の比率を増やす」という仕事の進め方、セルフマネジメントの徹底の仕方についてもお話しいただきました。
講演終了後の意見交換では、参加者から「企業におけるテレワークでの人事評価や業務の棚卸をどうするのか」といった質問や、「自分自身の労務管理の仕方のヒントが得られた」、「二拠点生活ができる人は限られるのではないか」等の感想がみられました。
今回のセミナーを通じて、福岡市におけるこれからの新しい働き方とともに、現在の自分自身の働き方についても再考する良い機会となりました。今年度の総合研究の報告内容にも反映させていきたいと考えています。