Fukuoka Growth 11 ~人・イノベーション~150万プラスαの力 2013.12.5 Version1.0(pdf/1.46MB) 「モノ」や「カネ」から、リーマンショックやユーロ危機など資本主義の変調を受けて、世界は改めて「人材」の重要性に注目するようになりました。 その国・地域の成長の指針である「付加価値」は人が創り出すものです。世界の貿易において、「付加価値」に関しては、日本は未だに存在感を示し続けています。輸出額に占める付加価値の割合は世界トップクラスです。 一方、早くから「人材」育成の重要性を認識し、教育に力を入れ、今では日本以上の学力を有するアジアの国・地域も増え、相対的に日本の位置付けも低下しつつあります。 世界規模の高度人材の獲得競争が激しくなり、特に教育水準が急上昇しているアジア地域に世界の目が集まっています。ハーバード大学などは、アジアに拠点を設け、優秀な人材の確保に努めているほか、アジアの学生自ら、アメリカに移住してこうした大学進学を目指すなど、国境を越えた高度人材の流動が激しくなっています。 日本においては、特に義務教育後に、将来的な進路を意識した教育へと環境が大きく変化しますが、小中学校の段階で、既に韓国、シンガポール、アジアなどより学力が低い状況にあります。 福岡市は、将来的な人口増が見込まれるものの、若年層は減少に転じる見込みであり、付加価値を生み出す人材の量的な減少は、質の向上で補う必要があります。 グローバル経済において、世界と伍する高度人材の育成は急務であり、格差が生じる前の早い段階から、多様な教育環境を充実させていかねばなりません。高度人材の流出を防ぎ、地域で活躍できる環境を整えるとともに、専門的な知識、技術など、全ての市民が持つクリエイティビティが十分に発揮されることが重要で、それらを有機的 に結び付けて、オール福岡の総合力で、地域が生み出す付加価値を高めていくことが重要です。 さらに、世界的な人材流動の中で、福岡市の強みであるアジアとの結び付きや都市の魅力によって、国内外の優秀な人材がオール福岡の一員に加わり、より大きな力を発揮していくことが期待されます。 図表1.福岡市の年代別人口推移予測 図表2.「小学生」平成25年度全国学力・学習状況調査正答率・全国平均との差 ※グラフはクリックで拡大できます。