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FG-GlobalCityStatus03.「価値」をアジアへ、世界へ輸出する海上物流の拠点

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●情報戦略室とは?
多くの自治体では、厳しい財政事情の中で、効率的で効果的な財政運営のために、政策の選択と集中を図っています。地域の発展、成長のために本当に必要な政策は何か。自治体にもマーケティングの発想が求められています。データ収集・分析・提言に留まらず、戦略的な視点に立ち、政策立案者と対話を重ねる参謀機能として、URC内に「情報戦略室」が設置されました。「情報戦略室」は、情報の収集・分析と、戦略の構築支援によって、福岡市の発展と経済成長の実現に貢献していくことをミッションとしています。

●「Fukuoka Growth 2014-2015 Global City Status~世界のなかの福岡~」
福岡市の世界におけるポジションをデータで確認しながら、さらに存在感を高めるための情報を発信していきます。

昨年度、情報戦略室より発信しておりました「Fukuoka Growth~福岡の成長ポテンシャル~」では、データをもとにしながら、福岡市の成長力や国内における優位性を発信しました。今年度は「Global City Status~世界のなかの福岡~」として、福岡市が世界でさらに存在感を高めるための情報も紹介してまいります。
October 28, 2014

03「価値」をアジアへ、世界へ輸出する海上物流の拠点

福岡市は、アジアに近い港湾物流の拠点として重要な位置にあり、輸出入取扱貨物量、貿易額とも増加傾向が続いています。
取扱貨物量は、輸出、輸入とも最大の相手国は中国ですが、その他の国は輸入と輸出で傾向の違いがみられます(図表3-1)。輸入品目は、衣類や農水産品、材料、部品などの品目が、それぞれの産地、製造国から入ってきており、輸出品目は、完成自動車を除き、部品や原材料など製品として完成する前の段階のものが多くなっており、グローバルなバリューチェーンの中で、福岡市が重要な役割を担っていることがわかります(図表3-2)。
図表3-1:博多港輸出入相手国・地域別取扱量(2013年)
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資料:平成25年博多港統計年報
図表3-2:輸出入上位相手国の国別・取扱量上位品目(2013年)
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資料:平成25年博多港統計年報
一方、総重量でみると、輸入量が輸出量の1.7倍あまりの量が入ってきているのに対し、金額面でみた場合、輸出額・輸入額の出入の状況は逆転し、輸出額は輸入額約1.8倍となり、8000億円以上の“貿易黒字”が生み出されており、付加価値の高い輸出品目が多い状況がうかがえます(図表3-3)。
輸入額は、中国のウエイトが大きくなっていますが、輸出額は中国とともに韓国のウェイトも大きくなっています。
図表3-3:博多港輸出入相手国・地域別貿易額(2013年)
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資料:貿易統計(門司税関)
国内の他の港湾と比較すると、博多港は、貿易総量としては全体の23位に過ぎないものの、貿易額はベスト10入りし、特に輸出額の占める割合が高く、国内港湾の7位(貿易額上位港湾中2位)の比率です。輸出量に対して輸出額の高さが特徴で、重量単価では輸出量トップの名古屋港より高く、国内5位(同4位)となっています。海外港湾との参考比較として、米国において福岡都市圏と同規模の後背地人口を擁するシアトル港をみた場合、総貿易額では博多港はシアトル港を上回っています(シアトル港は全米貿易ランキングで24位)。輸出量については、博多港はシアトル港と同等であるものの、輸出量当たりの金額は2倍以上と価値が高くなっています(図表3-4)。
また、他の貿易額ベスト10港湾が周辺に重工業地域を擁していますが、福岡市は、工業地域を持たないなかで、高い輸出金額を「価値」によってささえていることがわかります。
図表3-4:国内貿易額上位10港・シアトル港の概況
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資料:港湾別貿易額ランキング国土交通省・(2012年),2013, American Association of Port Authorities
*シアトルは2013年値・貿易額は1$=108円(2014年10月24日日本銀行公表レート)で計算
図表3-5:博多港順位表
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資料:港湾別貿易額ランキング国土交通省・(2012年),2013, American Association of Port Authorities
*シアトルは2013年値・貿易額は1$=108円(2014年10月24日日本銀行公表レート)で計算
博多港の貿易額でみた相手地域は、国内平均と比較して、輸出入ともアジアに特化した傾向となっており、経済成長が続くアジア地域の活力を取り込みながら、貿易黒字を生み出していることがわかります(図表3-6)。中国に対する輸出価額の多い品目は自動車、電気機器、科学光学機器などが上位で、韓国では電気機器、一般機械、プラスチックなどが上位を占めています(図表3-7)。
図表3-6:博多港と全国 貿易額の地域別構成比(%)
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資料:貿易統計(財務省・門司税関)
図表3-7:博多港から中国・韓国への輸出額上位品目(2013年)
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資料:貿易統計(門司税関)
福岡市は、アジアのメガシティのような大規模な製造業の集積はなく、博多港の規模・設備は中国、韓国等の海外の大規模港湾と比較すると小さいものですが、国内・地域の付加価値力を背景に、大きな輸出額を生み出しています。
また、大都市で海上の物流拠点となる港湾を有していない都市も多い中で、福岡市は都心部に港湾を持つ世界でも稀な都市です。博多港は、アジアと日本を結ぶ重要な位置にあり、古くから貿易港として栄え、物流だけでなく海上国際航路におけるゲートウェイとして、国際旅客数は国内最多です。
近年では、上海との高速RORO船を活用した高速物流も実現し、東京港から貨物船で7日程度かかるものが、博多港からは最短28時間で上海に到着する定期便が就航するなど、速達面での優位性が際立っています。
アジアの活力を取り込むことは、国内経済の重要な課題です。博多港の持つ地理的近接性および速達性を活かしながら、今後もより高い「価値」でアジア・世界との結び付きを強めることは、福岡市の発展のための重要戦略であるといえます。
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