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リレーコラム 02. 女性の退職後の多様な生き方

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[June 22, 2015]  Fukuoka Growth 2015-2016 GlobalCityStatus リレーコラム   View this post in pdf pdficon_small (760KB)

02.女性の退職後の多様な生き方 「小川全夫特別研究員」の話を聞いて

✔女性のキャリアは不安定
✔女性の退職後を議論する段階へ
テキスト:情報戦略室 山田 美里
福岡市は、若い女性が多いまちとして知られますが、事実として、20代や30代など、独身男性より独身女性の方が多くなっています。しかし、将来的には、福岡市も高齢化が進むことが予想されます。
筆者がこれまで出会ってきた若い女性たちの間では、「結婚」が将来の経済的不安に対する解決策として妥当性の高いものであるという認識が一般的でした。例えば、30代独身女性が、将来受け取れる年金額の低さを知り、愕然として「このままでは退職後生活していけない」と婚活宣言をしてから1年以内に結婚相手を見つけた、という話を聞いても、特に疑問は持ちませんでした。

しかし今回、社会老年学を専門とする福岡アジア都市研究所・小川全夫特別研究員(九州大学名誉教授)の話を聞き、「社会福祉制度の改革」や「退職後生活のあり方」など、高齢者を取り巻く社会的環境を、行政やコミュニティの力で変えていくことが必要な時代になっていることを知りました。結婚を唯一の選択肢のように感じていたのが、「結婚だけではない」ということを専門家の視点から気づかされた瞬間でした。

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そもそも、超高齢化社会として世界中から注目される現在の日本において、退職後の生活は、性別に関わらず多くの国民の関心事であるはずです。しかし、女性に関しては、2013年に「2020年までに指導的地位に占める割合を30%に」(日本再興戦略より)という数値目標を置かなければならないほど、日本の女性の社会進出は発展途上であり、結婚後は仕事(特に正規雇用)から離れる人が増えるのが現状です。女性の管理職比率は、欧米で30%台(2011年)であるのに対し、日本は11.1%(2012年)です。これは、結婚し、出産を経て再就職しても、非正規雇用となるケースが多いことなども、背景として考えられます。結婚や出産に大きく影響され、小川全夫特別研究員曰く、「女性のキャリアは不安定」なのです。

日本では、女性の社会進出が課題とされる一方で、欧米、特にアメリカでは既に、社会に進出した女性たちのその後、つまり退職後のことを議論し支援する段階になっています。退職後の自律した生活を実現するためにも、不安定なキャリアパスを持つ女性人材を有効に活用できる環境づくりが大切です。

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米国カリフォルニア州初の高校の女性校長であったエセル・アンドラス博士(Dr. Ethel Percy Andrus)が、自身の退職後の保険や待遇に愕然とし、プロダクティブ・エイジングという概念の普及や退職者向け健康保険の必要性に応えて、1958年に設立したAARPという高齢者団体があります。「奉仕されるのではなく、奉仕せよ」をモットーに、ボランティア活動の機会提供やその世代に必要な保険・金融サービスの情報提供を行うほか、高齢者生活の質の向上を求めた政策提言や教育など、政治的影響力の強さも世界的に知られています。

サービス業が主要産業である福岡市で、「人」が生み出す付加価値が大きいのであれば、女性や老年者の活用は必須です。結婚に対する考え方は人それぞれですが、未婚、既婚に関わらず、女性の社会進出が増え、退職後の多様な生き方について、本格的に議論できるようになることが望ましいと考えます。

写真はいずれもイメージ(福岡市内撮影)
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