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Fukuoka Growth 13 進化する交通産業の可能性

情報通信技術の進化によって、世界中がネットワーク化され、より広い範囲、より多くの人とのコミュニケーションが可能となりました。ビジネスや観光、人との出会いなど、場を移動する目的も多様化し、移動手段としての交通に求められる要素も変化しています。
交通は、それぞれの目的に合わせて、より快適に、より効率的に、よりスピーディーに進化を遂げ、交通事業者は、単に移動手段、設備を提供するだけでなく、人流や物流、情報通信などに関するさまざまなサービス分野を包含した新しい形の交通産業へと変貌しつつあります。交通は、市民の日常的な利便性はもちろん、世界規模で人の流動が活発になる中で、都市の競争力という点においても、ビジネスや観光で訪れる際の、移動のしやすさ、交通機関の利用のしやすさは重要な要件となっています。
広域的なアクセス性に優れ、域内の移動が効率的であることで、時間や経費の軽減が図られ、人々の動きはより活発に、企業の生産性は向上します。交通の要所には人や物が集まり、そこにはさまざまな産業が根付き、多くの付加価値が生み出されます。特に、大都市における都心部においては、賑わいの創出や商業やサービス業の活性化といった効果も大きくなります。
さらに、今後は、情報通信技術と融合したスマートモビリティ*社会の進展とともに、交通産業は、移動手段の提供だけでなく、付加するさまざまなサービスの可能性が広がり、そこには大きなビジネスチャンスが待っていると考えられます。福岡市は、国際会議件数も増加の一途をたどるなど、市民だけでなく、外国人を含む域外の人が、市内の交通機関を利用する機会が増えています。
福岡市は現在、新しい都市交通基本計画を策定中です。広域と域内のシームレスな交通環境を有し、空港から都心部までの所要時間が地下鉄でわずか5分など、全国的にみても高い利便性を誇る福岡市は、大手鉄道会社・バス会社、市営地下鉄などが揃い、次代の交通産業の可能性を探るのにも適した環境を有しています。
交通は、社会基盤であると同時に、人が生み出す価値と価値をつなぐシナプス(接合装置)としての重要な役割を担っています。地域の交通事業者と、情報通信などの関連分野や先端技術が結び付くことで、世界の交通産業、交通基盤の見本となる取り組みを示すことも可能です。
(2013年12月20日 情報戦略室 畠山 尚久)

*スマートモビリティ:高い経済効率とエネルギー効率によって都市の利便性や快適性、安全性の向上を目指す「スマートシティ」の一要素で、情報通信技術などを活用し、環境やコストに配慮しながら、高度交通システムやこれに対応する社会基盤の整備によって円滑で快適な移動の実現を目指すもの

図表1.福岡市における主要公共交通機関の年間乗車人員数推移 図表2.福岡市の国際会議開催件数推移
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※グラフはクリックで拡大できます。