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雲仙で学んだユニバーサルツーリズム(山田)

いつ:
2020年11月4日 @ 09:00
2020-11-04T09:00:00+09:00
2020-11-04T09:15:00+09:00

2年前の旅行で天草(熊本県)を訪れた時から、いつか有明海を挟んだ対岸の島原半島(長崎県)を訪れたいと思っていたのですが、先日やっとその旅が実現しました。

2011年に雲仙天草国立公園雲仙地域で地域再生行動計画「雲仙プラン100」が策定され、その一環としてユニバーサルデザインの調査や、ユニバーサルデザインの視点から雲仙温泉街を考えるワークショップとまちづくり勉強会が行われていたことを旅の直前に知り、ユニバーサルツーリズムについて学ぶことも楽しみの一つになりました。

観光名所の一つである雲仙地獄は、雲仙温泉中心街から徒歩圏内にあり、スロープ状の幅広い歩道が整備されていました。奥に進むとまだスロープが整備されていない区間もあり、車いすを利用する人が私と同じ景色を見ることができないことは少し残念でしたが、自然の造形をなるべく壊さずに歩道やスロープを整備して観光を振興する難しさも感じました。もしかすると、ロボット技術の発展とともに、古代ローマの輿担ぎが進化したようなサービスが誕生する日が来るかもしれません。

普賢岳や平成新山を間近に見ることができる「雲仙ロープウェイ」では、駐車場からロープウェイ乗り場までスロープ状の歩道が整備されていました。歩道の入り口付近に、「車椅子の単独利用不可」という看板が設置されており、「不可」という表現は、諦めざるを得ない人の気持ちを想像すると、少し胸が締め付けられましたが、介助者が同行していればロープウェイを利用することができるそうです。料金を支払いゴンドラに乗り込むまでの順路が階段になっているため、介助者の大きな助けが必要になります。

旅から戻った後、長崎県が2019年12月に実施したユニバーサルツーリズムのモニターツアーの記事を見つけました(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/576795/)。参加した車いすを利用する男性は、「段差に板を置いてスロープ代わりにするなど、少しの工夫でクリアできることもある。お金をかけて設備を整えるよりも、ちょっとした心遣いが大事」と述べていました。ハード面での整備だけでなく、誰かが手伝ってくれると安心できるようなソフト面も充実した社会が望ましいと気づきました。

福岡空港にはユニバーサルツーリズムのワンストップ窓口を目指した「福岡空港しょうがい者・こうれい者観光案内所」が2019年11月にオープンしました。観光案内だけでなく、改善すべき課題やリクエストの聞き取りもできるワンストップ窓口になることを期待するとともに、困っている人を手助けする優しさやコミュニケーションが観光地でも見られるようになることを願っています。

情報戦略室 山田美里
http://urc.or.jp/event/column-20201104
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