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テレワーク実施の地域別の差と働き方の試行錯誤(中村)

いつ:
2020年6月15日 @ 09:00
2020-06-15T09:00:00+09:00
2020-06-15T09:15:00+09:00

7都府県のテレワーク実施割合の推移

出所:厚生労働省「第1-3回「新型コロナ対策のための全国調査」からわかったことをお知らせします。第4回「新型コロナ対策のための全国調査」の実施のお知らせ」表3を基に作成(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11109.html、2020年5月2日閲覧)

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厚生労働省によるLINE調査の第1回から第3回までの結果(4月30日公表)では、各都道府県のオフィス中心の人のテレワーク実施割合の推移が示されています。これをグラフで表すと、実施率1~5%未満の県の数が減少してきた一方で、5~10%未満の県の数が増加し(図1)、さらに上位の都府県では第3回調査時点までに実施割合が伸びていることがわかります(図2)。

全国的にテレワークの実施が進んできたと見ることもできますが、都道府県ごとのテレワーク実施割合には差があります。4月7日の緊急事態宣言発令後に実施された第3回調査では、緊急事態宣言対象地域となった7都府県の実施割合は高いものの、実施率1~5%未満が9県、5%~10%未満が24道県という結果となりました。こうした差が生じた背景には、コロナ感染者数の増加傾向の違い以外にも、通勤にかかる時間の差、公共交通機関か自家用車かという通勤手段の差、各地域のテレワークに適している業種の多さや企業規模、テレワーク実施環境の整備が進んでいたかどうか等の様々な違いがあったと考えられます。企業のテレワーク実施環境の整備に対しては、ここ数か月で国や各自治体による各種支援策が打ち出されており、今後のテレワーク実施割合の上昇につながることが期待されます。

福岡市でも、テレワーク促進に向けて、地場中小企業・小規模事業者等を対象とするテレワーク促進事業が実施されました。同事業の一環である「福岡市テレワーク促進事業支援金」に対する認定済み企業数は約400件、追加申請件数は519件という結果が示されています*1。これらの件数からは、各企業のテレワークに対する関心の高さが読み取れるとともに、今回テレワーク導入の検討を通じて、多くの企業が従来の働き方を見直す機会を得た数字としても捉えることができます。

5月25日に全国の緊急事態宣言は解除され、再びオフィスへ通勤する人の姿が多く見られるようになってきましたが、従来の方法に後戻りするのではなく、前進を。ここ数カ月の働き方に対する企業や個人の試行錯誤の経験は、このまちで働く人たちの多様な働き方実現への明るい兆しであるのだと、筆者は感じています。

研究主査 中村由美
http://urc.or.jp/event/column-20200615


*1 福岡市ホームページ参照。同支援金は2020年5月7日に申し込みが開始され、5月22日に受け受けは終了している。

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