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いま、テレワークについて考える(中村)

緊急事態宣言対象地域(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡) におけるテレワーク実施率と推奨・命令率の変化(3月、4月)

注:3月は3月9日~15日調査の結果、4月は4月10日~12日調査の結果
出所:「パーソル総合研究所」をもとに作成
(https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html, 2020年4月22日閲覧)

ここ数カ月で、多くの報道でテレワーク*1という用語を見聞きする機会が増えました。2月末より、コロナ感染症拡大防止の観点から、政府がテレワークを推奨してきたことや、各企業がテレワーク勤務に移行してきたことが背景にあります。4月7日の緊急事態宣言以降、政府の方針のなかでは、まん延防止の項目において、「特定都道府県は、まずは在宅勤務(テレワーク)を強力に推進する」*2というより強い表現が用いられるようになり、テレワークを一層促す流れになっています。

緊急事態宣言を受けて、企業の動向や従業員の働き方にも如実な変化が見られ始めています。パーソル総合研究所の調査結果(4月10日~12日調査、正社員対象)によれば、緊急事態宣言対象地域となった7県において、従業員のテレワーク実施率は38.8%、会社からのテレワーク推奨・命令率は53.3%と、約1月前に比べてそれぞれ約2.3倍、約1.9倍となりました(グラフ参照)。4月7日を境に、より多くの人たちの働き方に変化が生じてきていることがわかります。

URCの2018年度の調査*3によると、全国におけるテレワーク普及率は2割未満と決して高いとは言えませんでしたが、いま、テレワークの認知度は急速に高まってきています。一方、グラフ右の「会社からのテレワーク推奨・命令率」と左の「従業員のテレワーク実施率」の間に開きがあるのも事実です。例えば4月は14.5ポイントの差があります。業務内容等の様々な理由により、テレワークを実施できない人たちもいるのであり、こうした現状を無視して、楽観的に「テレワークが普及してきた」と見ることもできません。なぜテレワークの実施が困難なのか、職種のみならず、制度面の課題、従来の仕事の進め方の課題等についても慎重に見ていく必要があると考えられます。

今後、社会全体の働き方に変化が生じることは、間違いありません。私たちの働き方に変化が訪れているいまだからこそ、テレワークをテーマに働き方や課題などについて考察していきたいと思います。

研究主査 中村由美
http://urc.or.jp/event/column-20200501


*1 ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方((一社)日本テレワーク協会の定義参照)
*2 「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和2年4月7日改正))(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_0407.pdf, 2020年4月22日閲覧)
*3 URC2018年度総合研究報告書「Sosiety5.0~福岡市における「人」が中心の未来社会~」