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インクルーシブ~人に優しい、都市工学(畠山)

いつ:
2020年2月26日 @ 09:00
2020-02-26T09:00:00+09:00
2020-02-26T09:15:00+09:00
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「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)は、障がい者など、あらゆる人が孤立しないよう、包み、支え合う社会を意味します。
目に見える障がい、見えない障がい、障がいと診断されなくても生きにくさを感じる人も含め、相互に受け入れ、認め合い、活躍できる包摂性の高い社会の実現には、周囲の理解と配慮は必要です。それは、「特別視」とは違う、「普通に受け入れる」ことが重要といえます。

若い人などに人気のミュージシャンが、過去に高機能自閉症と診断されたとデリカシーのない記事がありました。彼を特別視するこのオールドタイプの記者より、若い人は、はるかにインクルーシブな理念を身に付け、過去の診断など関係なく彼を受け入れ、才能を認めています。
人とのコミュニケーションが重要と言われてきました。間違いではありません。しかし、これを苦手、苦痛と感じる人もいて、うまく話せなかったり、生きにくさを感じたりします。多くの企業等では、「コミュニケーション能力」は評価項目であり、「コミュニケーション能力欠如」とされる人の中には、コミュニケーションを面倒と感じる人もいれば苦痛に感じる人もいるでしょう。多くの人に支持されるこのミュージシャンにも、生きにくさを感じる若い人が、共感する部分があるのかもしれません。

弱肉強食のビジネスの世界では、あらゆる人が孤立せず活躍することは、難しい課題です。しかし、技術の進化、AIの導入などによって、人とビジネスの関わり方は変化し、人は、よりクリエイティビティが求められます。今年の、米アカデミー賞を席巻した「パラサイト」のポン・ジュノ監督は、壇上のスピーチで、マーティン・スコセッシ監督の「最も個人的なことが、最もクリエイティブだ(The most personal is the most creative)」という言葉を引用しました。声の大きさやコミュニケーション番長だけでなく、個々の能力が重視され、多様な人が活躍できる選択肢が広がる優しい社会へと変化する可能性もあります。

2018年度のURC総合研究「Society 5.0」では、技術の包摂性の重要さを指摘しました。技術は、一部の人のための、特別なものでなく、全ての人が、当たり前に使える技術でなければなりません。都市も同様で、多様な人が、当たり前に活躍する社会の環境をつくることが、「都市の成長」と「生活の質の向上」の両立につながるはずです。

情報戦略室 畠山 尚久
http://urc.or.jp/event/column-20200226
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