RSS Feed

人の頭とコンセプト ~“マーケティングは死んだ”か~(畠山)

いつ:
2019年11月22日 @ 09:00
2019-11-22T09:00:00+09:00
2019-11-22T09:15:00+09:00
イメージ写真

イメージです

「アタマ、使ってる?」
私が好きな映画の、ポスターのキャッチコピー(公開時)です。

情報戦略室では、研究活動や福岡市の施策に資する情報(データ等)を収集、分析し、関係者への提供や外部に発信しています。
民間企業では、情報を収集、分析して、戦略を練ることは、マーケティングという概念で語られますが、活動領域は市場調査から物流、広告、販売まで幅広く、最近ではビッグデータの解析まで、その範疇に入るようになりました。

一方で、マーケティングよりも手段ありきで、消費者の誘導を主眼に置いたやり方も見られます。まず市場を制して、後々優位に進めるためです。乱立する電子決済で、最初に大きな見返りを提供してシェアを取りに行くような例もみられます。
このほか、作為的な情報で印象操作するような、「ステルス・マーケティング」も一時期話題にのぼりましたが、これらは、本来のマーケティング活動からは逸脱したものにみえます。

より早く答え(=結果)を求められる時代、手段を優先するのも無理はないかもしれません。
かつて、何人かのミュージシャンが、「ロックは死んだ」と、主に商業化された音楽シーンを揶揄しました。スピーディーな行動が求められる時代、「マーケティングは死んだ」のでしょうか。
もちろん答えは否です。今も、あらゆる企業や組織でマーケティング活動を行っています。手段だけでは導けない戦略があるからにほかなりません。

最近では、AI(人工知能)が、ビッグデータを瞬時に解析し、人が気付かないような事実を導くのも事実ですが、そこから先にどのような仮説を導くかは、人の力、センスが必要です。
事実としての情報をどう分析し、活用するかの仮説を導くかの視点~利根川進氏は「コンセプト」と表現*1~こそ、マーケティング活動の本来の目的で、その先に広がる無限の可能性であり、人のクリエイティビティが発揮される余地が大きい部分です。
「コンセプト」は、未知の世界を夢見て描く人の創造性が重要で、同時に事実に基づく客観的で、恣意的ではない視点が必要。マーケティングに携わる人間は、“夢見るリアリスト”であるべきといえるでしょう。

私も、日々冒頭の問い掛けを意識しながら、より有益な「コンセプト」を見つけていきたいと思います。

情報戦略室 畠山 尚久
http://urc.or.jp/event/column-20191122


*1: 「精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか」(立花隆・利根川進1990年文藝春秋社刊)の中で、ノーベル生理学・医学賞受賞の利根川進氏が調査・研究からの仮説の導き方について「コンセプト」の重要性を説いている

Print This Post Print This Post