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最後の一本の藁(山田)

いつ:
2019年11月11日 @ 09:00
2019-11-11T09:00:00+09:00
2019-11-11T09:15:00+09:00

※写真はイメージです。

先日、語学学校の英語講師として来日し福岡に住んで1年半というアメリカ人と話す機会がありました。就労ビザの在留期間は数年残っているものの、30代後半になる彼女は、なるべく早く結婚し出産したいらしく、来年は欧州のおそらくスペインに移住することを検討しているそうです。日本には、自分と似たような文化背景を持ち、なおかつ英語でコミュニケーションできる男性との出会いが少ないことが理由だそうです。

しばらくアメリカに帰るつもりはないように聞こえたので、そもそも何故日本に来たのか尋ねたところ、最近アメリカでネタのようによく使われているという諺を交えて話してくれました。白人至上主義がひどくなり、人種差別の対象になりやすい背景を持つ彼女にとって、アメリカが居心地の良い国ではなくなってきてしまったことが来日を決めた理由だそうですが、2017年に国の方向性が大きく変わったことは、「the last straw(最後の藁)」だったそうです。

最後の藁というのは、「The straw that broke the camel’s back.(ラクダの背中を折った藁)」という諺からきています。ラクダの背中に麦わらをどんどん載せていったところ最後の一本でついに背中が折れてしまったという状況をあらわすこの諺は、日本の諺の「堪忍袋の緒が切れた」と似たような意味で、積もり積もった我慢が限界に達し爆発した、最後の一押しになったという時に使うことができます。

南部貧困法律センターによると、アメリカで活動するヘイトグループは1,020団体(2018年)で、1999年からの調査で過去最多を記録し、このうち白人愛国主義団体は、2017年から約50%増え148団体となったそうです。(https://www.splcenter.org/fighting-hate/intelligence-report/2019/year-hate-rage-against-change

幼い頃から、飲食店や商店で無視されるなど人種差別を感じることはあったそうですが、2017年以降、仲の良い友人の親族や仲間がSNSで白人至上主義を発信するようになるなど、間接的な交友関係にまで影響を及ぼし始めたそうです。長年住んだ国を離れる決心をするほど、彼女にとって辛い経験が重なったことが推測できました。

情報戦略室 山田美里
http://urc.or.jp/event/column-20191111
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