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「坂道」都市の造形と平たい都市の叡智

いつ:
2019年8月30日 @ 09:00
2019-08-30T09:00:00+09:00
2019-08-30T09:15:00+09:00
streets in tokyo

東京・神楽坂通りと裏路地

乃木坂、六本木けやき坂、今ではアイドルのイメージが強い名のその坂道は、東京の都心部にあります。

一方で、福岡市の中心部は、総じて平坦で、徒歩や自転車の移動が比較的容易なまちです。その名に惹かれて人々が集まるような、広く名の知れた「坂道」をあまり聞きません。桜坂から平尾、小笹にかけてなど、一部起伏に富むエリアはありますが、「赤坂」「桜坂」は、エリアの地名で、特定の坂道をさすものではありません。

東京に行くと、神楽坂界隈を散策します。文字通り、神楽坂通りという名の坂道にはさまざまな店舗が並んで賑わい、さらに裏路地の小さな名もなき坂にも穴場的な店舗が点在し、独特の風情を感じさせます。都市観光は、駅前やメインストリートの大型商業施設とともに、こうした坂道や路地の個性的な魅力が大事なように思います。坂のあるまちの自然な造形は、見上げると一瞬躊躇するものの、上った先の風景、そこから見下ろす景色など、変化に富んだ魅力や発見を期待させます。

然るに、都心部の天神や博多エリアは、ほぼ坂のない街です。視覚的な魅力は、坂道の自然な造形が期待できない分、ビル・建物、街路など人工物に頼る部分が大きくなります。路地には個性的で魅力ある店舗等は多数あるものの、初めて訪れる人は、賑わいの先にある個性、ビルに隠れたその魅力に気付くことは難しいのではないでしょうか。

神戸、長崎、函館など、坂の魅力で多くの観光客を引き付ける観光都市の「坂道グループ」に負けないよう、本来、広範囲に散策しやすい「平たい都市」福岡市の強みをいかし、新たな発見、隠れた魅力を予感させる視覚的な仕掛けを随所に設けて、市民だけでなく、訪れる人にも、「その先の福岡」の個性や魅力を知ってもらいたいものです。

情報戦略室 畠山 尚久
http://urc.or.jp/event/column-20190830
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