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スタッフコラム

(公財)福岡アジア都市研究所(URC)のスタッフが、各々の研究活動や交流事業を通じて学んだこと、印象に残ったことなどを紹介します。ご関心のあるタイトルをクリックすると、コラム全文を読むことができます。
4月
22
連帯と進化と(畠山)
4月 22 @ 09:00

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の発生と、それに伴う緊急事態宣言の発出によって、生活や経済が一変し、なお状況は日々変化しています。
これからさまざまな統計にも、この影響が、数字として色濃く現れてくると思われます。
まずは、人々の命と健康を守るための行動と、医療関係者をはじめとする私たちの日常を守るために闘い、活動している方々への連帯を胸に。
そして、さまざまな活動の自粛を余儀なくされる今だからこそ、この危機を乗り越え、これまで経験したことのない変化を、社会の進化へと結びつけるために、これからなすべきことを、しっかりと考えていくときなのかもしれません。

福岡地域戦略推進協議会(FDC)206団体による「YELL FUKUOKA/エール・フクオカ行動宣言」
https://yellfukuoka.com/

情報戦略室 畠山 尚久
http://urc.or.jp/event/column-20200422
5月
1
いま、テレワークについて考える(中村)
5月 1 @ 09:00
緊急事態宣言対象地域(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡) におけるテレワーク実施率と推奨・命令率の変化(3月、4月)

注:3月は3月9日~15日調査の結果、4月は4月10日~12日調査の結果
出所:「パーソル総合研究所」をもとに作成
(https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html, 2020年4月22日閲覧)

ここ数カ月で、多くの報道でテレワーク*1という用語を見聞きする機会が増えました。2月末より、コロナ感染症拡大防止の観点から、政府がテレワークを推奨してきたことや、各企業がテレワーク勤務に移行してきたことが背景にあります。4月7日の緊急事態宣言以降、政府の方針のなかでは、まん延防止の項目において、「特定都道府県は、まずは在宅勤務(テレワーク)を強力に推進する」*2というより強い表現が用いられるようになり、テレワークを一層促す流れになっています。

緊急事態宣言を受けて、企業の動向や従業員の働き方にも如実な変化が見られ始めています。パーソル総合研究所の調査結果(4月10日~12日調査、正社員対象)によれば、緊急事態宣言対象地域となった7県において、従業員のテレワーク実施率は38.8%、会社からのテレワーク推奨・命令率は53.3%と、約1月前に比べてそれぞれ約2.3倍、約1.9倍となりました(グラフ参照)。4月7日を境に、より多くの人たちの働き方に変化が生じてきていることがわかります。

URCの2018年度の調査*3によると、全国におけるテレワーク普及率は2割未満と決して高いとは言えませんでしたが、いま、テレワークの認知度は急速に高まってきています。一方、グラフ右の「会社からのテレワーク推奨・命令率」と左の「従業員のテレワーク実施率」の間に開きがあるのも事実です。例えば4月は14.5ポイントの差があります。業務内容等の様々な理由により、テレワークを実施できない人たちもいるのであり、こうした現状を無視して、楽観的に「テレワークが普及してきた」と見ることもできません。なぜテレワークの実施が困難なのか、職種のみならず、制度面の課題、従来の仕事の進め方の課題等についても慎重に見ていく必要があると考えられます。

今後、社会全体の働き方に変化が生じることは、間違いありません。私たちの働き方に変化が訪れているいまだからこそ、テレワークをテーマに働き方や課題などについて考察していきたいと思います。

研究主査 中村由美
http://urc.or.jp/event/column-20200501


*1 ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方((一社)日本テレワーク協会の定義参照)
*2 「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和2年4月7日改正))(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_0407.pdf, 2020年4月22日閲覧)
*3 URC2018年度総合研究報告書「Sosiety5.0~福岡市における「人」が中心の未来社会~」

5月
13
ニューノーマルに向けて(菊澤)
5月 13 @ 09:00
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コロナによってニューノーマルがやってくる。「やってくる」というのは、そもそも他人まかせで、どのような転換が必要か望ましいかを検討し、自らをその変化の一部に位置づける、あるいは自分自身が変化になるべきであろう。“Be the change you want to see in the world”(マハトマ・ガンジー)である。私のニューノーマルのささやかな試みとして、URC内で、ウェブ上のインハウスセミナーを企画した。在宅勤務により、顔を合わせる機会が減少した所内において、情報共有、意見交換、スキルアップの一助になればとの考えからである。やってみると、セミナー用にテーブルを並べる必要もなければ、資料を印刷することもなく、そもそもデスクから移動する必要さえない。直前まで他の業務をしていられるので気軽、というのは主催者だけでなく参加者もそうであろう。しいて言えば、イヤホンを忘れずに、というところである。対応しなければならないニューノーマルではなく、社会の新たな一面を作り出すワクワク感を忘れず取り組んでいきたい。

研究主査 菊澤育代
http://urc.or.jp/event/column-20200513
5月
25
ハンコ文化に見る従来の方法からの脱却(中村)
5月 25 @ 09:00
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いま、テレワーク勤務を行う人が増えている一方で、ハンコや書面提出等の従来の業務の進め方ゆえに出勤せざるを得ないという意見も聞かれます。例えば、ある調査では、“緊急事態宣言中にハンコの押印が必要で今月出社した、もしくはする予定”と回答した人が約40%という結果も示されています*1。決して少なくない割合であり、「ハンコを押すために出社した。」という交通広告が共感を集めたというのも頷ける話です*2

一方、契約書、請求書、各種申請用紙、荷物の受け取り用の伝票等、私たちは日常生活の中で様々なものにハンコをついています。また、「ハンコが押された紙の契約書が「本物」だと認められる根底にはハンコが金庫で厳重に管理され、ハンコを使う社内手続きの流れもしっかりと確立されているはずだという「信頼」がある。」*3というように、手続きとしての安心感があるのも確かです。こうして見てみると、ハンコが私たちの生活や意識にいかに浸透しているのかに改めて気づかされます。

ハンコ文化の一件に止まらず、いま私たちは、外出、買い物、仕事等のあらゆる場面において、従来のやり方を見直さざるを得ないことが多々あるでしょう。もちろん誰しも、新たな物事を受け入れる際に不安を抱くのは当然です。ですが、これまで当たり前にやってきた方法を再考し、望ましい方法とは何なのかを勇気を持って判断していくことが、いまの事態へ立ち向かっていくために求められているのだと強く感じます。

研究主査 中村由美
http://urc.or.jp/event/column-20200525


*1 電子契約未導入企業に務めるテレワーク中の社員への質問、n=154。 「イースタンプ、「電子契約・電子請求書に関する調査」を実施」、財経新聞、2020年4月27日(https://www.zaikei.co.jp/releases/994086/、2020年5月1日閲覧)
*2 「「ハンコを押すために出社した」在宅勤務ができない人の心を“代弁”した広告に共感」、FNN PRIME online、2020年4月21日( https://www.fnn.jp/articles/-/32640、2020年5月1日閲覧)
*3 「脱「対面・紙・ハンコ」へ首相指示 コロナ契機にデジタル化」 、日本経済新聞(電子版)、2020年4月27日

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