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市街化調整区域の施策に関する研究II

研究課題

市街化調整区域は、都市計画法において都市的な土地利用がなされている地域である市街化区域(当該地域は開発すべき区域)とは対照的に、「開発を抑制すべき地域」として開発を規制されているエリアである。市街化調整区域は、基本的に地域特性として、農林水産業などの第一次産業を基盤としていることが多く、都市開発の推進を考える必要が少ない。
しかし近年、市街化調整区域では人口減少社会の到来、都市化の進展、さらには第一次産業の弱体化によって、特に土地利用は転換期を迎えている。従来の市街化調整区域は、第一次産業による土地利用を原則とし、市街化区域で不足する土地については、市街化調整区域を市街化区域へ編入し、都市を拡大すれば都市問題は一定程度、解決してきた。ところが人口減少社会では、市街化調整区域のみならず、市街化区域の人口も減少してくる。そのため、市街化調整区域は既存の枠組みで維持していくことが難しくなることが予想される。例えば、市街化調整区域では農業的土地利用の衰退(耕作放棄地)、生活を支える公共交通の廃止などが地域課題として顕在化してくるのである。

内容と提言

H20年度研究で明らかになった市街化調整区域の高齢化や集落維持の課題を踏まえ、また、福岡市の将来人口動向、農林水産業の就業者構造、農林水産業の振興施策、現状の諸制度を整理した上で、福岡市の市街化調整区域の土地利用の基本方針を以下5つ整理した。
(1)集約化構造への誘導、(2)持続可能な農林漁業地域の誘導、(3)市域一体的な都市・農漁村計画、(4)拘束力の強い土地利用規制、(5)地域の特性の応じた施策の導入
さらに、各町丁字の単位でその地域の特性を、就業構造が都市的か農漁業集落的か、活力があるかないか、交通の便がいいか悪いか、持続可能な農業を営むポテンシャルがあるかどうか、という複数の視点で市街化調整区域のクラスタリング(グルーピング)を行った。
その結果、①市街地と一体的な集約化を図るべき地域、②近郊の良好な住居環境と兼業農家の通勤に適した核地域、③持続可能な農漁業集落として、新たな農林水産業の担い手を受け止めるべき地域、④長期的には農林水産業や観光、炭素吸収の「場」として活用すべき地域、の4つのクラスターを設定し、地区計画の設定、土地利用や転入に関する規制、税金・支援金の優遇、土地資産の等価交換、公共交通に関する民間とのパートナーシップ、「炭素吸収源用地」等耕作放棄地の新たな活用施策などを提案した。

研究期間

平成21年4月~平成22年3月

担当

山本 匡毅、天野宏欣  研究主査 ※研究責任者

田梅 朋子   研究主査

兼子 慎一郎 研究主査

研究報告書

全ページ(pdf/12.3MB)

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